急性膵炎とは −高脂血症に多い合併症−

腹部などの大動脈がこぶのようにふくらむのが大動脈瘤です。

大動脈瘤とは、死を招く恐れもある危険な病気です。

急性膵炎(きゅうせいすいえん)とその症状

 急性膵炎とは、種々の原因により膵臓自体の防御機構が破壊されて、本来すい臓から分泌されて十二指腸に注がれるはずのリパーゼ、ホスホリパーゼ、エラスターゼなどといった膵酵素が、膵臓の細胞周囲の組織に漏れ出して膵臓自身を消化してしまい、膵実質の破壊、脂肪壊死、膵出血などをきたす疾患です。お酒をたくさん飲んだときや暴飲暴食をしたとき、脂っこい食事を摂ったときなどに起きやすく、みぞおちから背中にかけて激しい痛みを起こします。時間がたつにつれて、だんだんと痛みが激しくなるのが特徴で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。腹痛はあおむけに寝ると増強し、まえかがみの姿勢でやや軽くなるという特徴があります。上腹部痛は、比較的軽症であれば数時間〜2日でしだいに軽くなります。しかしこじれて、胆道の感染などや膵膿瘍を併発すると、39〜40度の熱もでます。
 消化管や腎臓、肝臓、心臓、肺、脳などにも影響が及び、ショック、腎不全、呼吸不全などを引き起こし死亡率も50〜80%と高いきわめて重篤な疾患で、ただちに医師の診察を受ける必要があります。

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急性膵炎(きゅうせいすいえん)の原因

 急性膵炎の誘因としては、胆石症、胆道炎、脂肪の豊富な食べ物の過食、アルコールの長期摂取や過剰摂取、腹部外傷、腹部手術、慢性膵炎、膵嚢胞、膵臓がん、胃・十二指腸潰瘍、回虫症、流行性耳下腺炎などさまざまのものがありますが、急性膵炎を起こす人は中性脂肪値が非常に高いケースが多く、中性脂肪値が1500mg/dl以上の方は、要警戒です。また、胆石症やアルコールを多量に摂取する方が急性膵炎を引き起こすケースも多く、該当する方は注意する必要があります。
 急性膵炎は、ほとんどが脂肪を控えた食事療法や禁酒によって、比較的早く治ります。